「毎月のガス代が高い…プロパンガスから都市ガスに切り替えたいけど、どうすればいいの?」
そんな疑問をお持ちの方に向けて、この記事ではプロパンガス(LPガス)から都市ガスへの切り替えについて、費用・手順・メリット・デメリット・注意点まで徹底的に解説します。
この記事でわかること
- プロパンガスと都市ガスの料金差と違い
- 切り替えに必要な工事の種類と費用目安
- 切り替えの具体的な手順とステップ
- 切り替えできないケースと注意点
- 切り替えできない場合の代替節約術
プロパンガスと都市ガスの違いとは?
まず基本的な違いを整理しましょう。プロパンガスと都市ガスは、原料・供給方法・料金体系のすべてが異なります。
原料と供給方法の違い
| 項目 | プロパンガス(LPガス) | 都市ガス |
|---|---|---|
| 原料 | 液化石油ガス(LPG) | 液化天然ガス(LNG)が主成分 |
| 供給方法 | ボンベ(容器)を配送・交換 | 地下のパイプラインで供給 |
| 供給エリア | 全国ほぼどこでも利用可能 | 都市部・整備エリアのみ |
| 熱量(カロリー) | 高い(約24,000kcal/m³) | 低い(約13,000kcal/m³) |
| ガス会社の数 | 多数(全国に約1万8,000社) | 地域ごとに限定 |
プロパンガスはボンベを各家庭に届ける方式のため、配送コストや業者の維持費が料金に上乗せされやすい構造になっています。一方、都市ガスはパイプラインで一括供給されるため、一般的にコストを抑えやすいとされています。
料金の違い
経済産業省や各種調査機関のデータによると、一般的にプロパンガスの料金は都市ガスの1.5〜2倍程度になることが多いとされています。ただし、プロパンガスは自由料金制のため業者・地域によって大きく異なります。
注意:料金は変動します
ガス料金は原料費・為替・季節・地域・業者などによって変動します。以下の数値はあくまで参考目安であり、実際の料金は各ガス会社にご確認ください。
| 種類 | 基本料金(目安) | 従量料金(目安) | 月額使用料(4人家族・目安) |
|---|---|---|---|
| プロパンガス | 1,500〜2,500円/月 | 500〜700円/m³ | 8,000〜15,000円前後 |
| 都市ガス | 700〜1,000円/月 | 130〜160円/m³ | 4,000〜8,000円前後 |
※プロパンガスは熱量が約2倍あるため使用量(m³)で比較する際は注意が必要です。同じ調理・給湯をした場合のm³数はプロパンガスの方が少なくなります。それでも金額ベースでは都市ガスの方が安くなるケースが多い傾向があります。
プロパンガスから都市ガスへ切り替えるメリット
切り替えの主なメリット
- ✅ 月々のガス代が削減できる可能性がある(目安:月2,000〜5,000円程度)
- ✅ ボンベ交換・補充の手間がなくなる
- ✅ ガス供給が安定している(パイプライン供給のため)
- ✅ 電気・ガスのセット割引が使いやすくなる
- ✅ 料金が透明・規制対象で比較しやすい
特に家族人数が多く、給湯・調理・暖房でガスをよく使う世帯ほど、切り替えによる節約効果が大きくなる傾向があります。
切り替えのデメリット・注意点
切り替え前に必ず確認すべきデメリット・注意点
- ⚠️ 都市ガスのインフラ(導管)が自宅付近に整備されていないと切り替え不可
- ⚠️ 工事費用が数十万円〜かかる場合がある
- ⚠️ ガス機器(給湯器・コンロ等)の交換が必要になる場合がある
- ⚠️ 賃貸住宅では基本的にオーナー(大家)の許可が必要
- ⚠️ 工事完了まで数週間〜数か月かかることがある
切り替えに必要な工事と費用の目安
都市ガスへの切り替えには、主に次の工事が必要になります。費用は状況によって大きく異なりますので、必ず現地調査・見積もりを取るようにしてください。
① 本支管からの引き込み工事(ガス管敷設工事)
道路下の都市ガス本管から自宅敷地内までガス管を引き込む工事です。
| 工事内容 | 費用目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 本管が近い場合の引き込み | 無料〜数万円 | ガス会社が負担するケースも |
| 本管が遠い場合の引き込み | 数十万〜100万円以上 | 距離・地盤・道路状況による |
| 屋内配管工事 | 5万〜20万円程度 | 配管の長さ・状況による |
② ガス機器の交換費用
プロパンガス用と都市ガス用では機器の設定(ガバナ・バーナー等)が異なるため、基本的にすべてのガス機器の交換または改造が必要です。
| 機器 | 交換費用目安 |
|---|---|
| 給湯器 | 10万〜30万円程度 |
| ガスコンロ | 3万〜10万円程度 |
| ガスファンヒーター | 2万〜5万円程度 |
| ガス衣類乾燥機 | 5万〜15万円程度 |
※機種によってはガス種変換(プロパン→都市ガス)対応のものもありますが、専門業者による確認が必要です。
ポイント:トータルコストで判断しよう
工事・機器交換の初期費用と、切り替え後の毎月のガス代削減額を比較して、何年で元が取れるか(投資回収期間)を試算することが重要です。たとえば初期費用50万円で月4,000円節約できるなら、約10年で回収できる計算になります。
切り替えの具体的な手順・ステップ
プロパンガスから都市ガスへの切り替えは、以下のステップで進めます。
STEP 1:お住まいの地域に都市ガスが来ているか確認する
まず大前提として、自宅の近くに都市ガスの導管(本管)が整備されているかを確認します。
- 地域のガス会社(東京ガス・大阪ガス・東邦ガスなど)の公式サイトで「供給エリア」を検索
- ガス会社のカスタマーセンターに電話・問い合わせ
- 最寄りの市区町村の都市整備課に確認する方法も
STEP 2:ガス会社に現地調査・見積もりを依頼する
供給エリア内であることが確認できたら、都市ガス会社に連絡して現地調査と工事費用の見積もりを依頼します。複数社に見積もりを取ることで、費用を比較できます。
STEP 3:工事業者・ガス機器業者への見積もり
屋内配管工事やガス機器交換についても、複数の業者から見積もりを取りましょう。ガス会社が紹介してくれる場合もあります。
STEP 4:プロパンガス会社への解約連絡
現在契約しているプロパンガス会社に解約の意思を伝えます。この際、以下の点を確認してください。
- 解約違約金の有無(長期契約や無償設置機器がある場合は注意)
- ボンベ・貸与機器の回収日程
- 残ガスの精算方法
要注意:無償設置機器の違約金
プロパンガス会社から給湯器・コンロ等を「無償提供・無償貸与」されている場合、解約時に機器の返却または違約金の支払いが発生するケースがあります。契約書を必ず確認し、不明な点はガス会社に問い合わせましょう。
STEP 5:工事の実施
引き込み工事・屋内配管工事・ガス機器交換を順次行います。工事期間中はガスが使えなくなる時間帯が生じますので、あらかじめ段取りを確認しておきましょう。
STEP 6:都市ガスの開栓・使用開始
工事完了後、都市ガス会社による開栓作業と動作確認が行われます。問題がなければ都市ガスの使用開始です。
切り替えができないケースとは?
残念ながら、すべての家庭がプロパンガスから都市ガスへ切り替えられるわけではありません。以下のケースでは切り替えが困難または不可能です。
- 都市ガスの供給エリア外(農村部・山間部など)
- 近隣に本管が通っておらず、引き込み工事費が非常に高額になる場合
- 賃貸住宅でオーナーの許可が得られない場合
- 建物の構造上、配管工事が困難な場合
切り替えできない場合の代替節約術
都市ガスへの切り替えが難しい場合でも、ガス代・光熱費を見直す方法はあります。
① プロパンガス会社を乗り換える
プロパンガスは自由料金制のため、業者によって料金が大きく異なります。同じエリアで安い業者に乗り換えるだけで、月々の費用が下がる可能性があります。
プロパンガスの一括見積もり・比較サービスを利用することで、地域内の複数業者の料金を比較できます。
② オール電化への切り替えを検討する
ガス機器をすべて電気に切り替える「オール電化」も一つの選択肢です。IHクッキングヒーター・エコキュートを導入することで、ランニングコストを抑えられる場合があります。ただし、初期費用(100万円前後〜)がかかるため、慎重に検討してください。
③ 太陽光発電・蓄電池の導入を検討する
自家発電で電気代を削減しつつ、給湯をエコキュートにまとめる方法もあります。太陽光発電の導入費用・補助金・回収期間については別記事で詳しく解説しています。
④ ガスの使い方を見直す
料金プランの見直しと合わせて、日常的な使い方の工夫も効果的です。
- 給湯温度を適切に設定する(設定を1℃下げるだけでも節約に)
- 追い焚きを減らして保温グッズを活用する
- シャワー時間を短縮する
- 省エネ型の給湯器(エコジョーズなど)に交換する
都市ガスへ切り替えた場合のシミュレーション例
あくまで試算の一例です。実際の節約額は使用量・地域・業者・契約内容によって異なります。
| 項目 | 切り替え前(プロパン) | 切り替え後(都市ガス) |
|---|---|---|
| 月額ガス料金(目安) | 約12,000円 | 約6,000円 |
| 月額削減額(目安) | 約6,000円 | |
| 年間削減額(目安) | 約72,000円 | |
| 初期工事費用(目安) | 約30〜80万円(条件による) | |
| 回収期間の目安 | 約4〜12年(条件による) | |
試算の注意点
上記はあくまで参考例です。実際の節約額・回収期間はガスの使用量、工事費用、ガス料金の変動などによって大きく異なります。必ず現地調査・見積もりを取り、ご自身の条件でシミュレーションしてください。
切り替えを検討する前に確認すべきチェックリスト
切り替え前チェックリスト
- ☐ 自宅の近くに都市ガスの本管が通っているか確認した
- ☐ ガス会社に現地調査・見積もりを依頼した
- ☐ 現在のプロパンガス契約に違約金・無償機器貸与がないか確認した
- ☐ ガス機器(給湯器・コンロ等)の交換費用を含めた総費用を試算した
- ☐ 投資回収期間が許容範囲内かどうか判断した
- ☐ 賃貸の場合、オーナーに相談・許可を得た
- ☐ 工事中のガス使用不可期間を確認した
まとめ:プロパンガスから都市ガスへの切り替えは計画的に
プロパンガスから都市ガスへの切り替えは、条件が整えば長期的なガス代の削減につながる可能性があります。ただし、工事費用・機器交換費用・違約金リスクなど初期コストが大きい点と、供給エリアの制約がある点は必ず事前に確認しましょう。
「まずエリア確認だけしてみたい」という方も、地域の都市ガス会社への問い合わせは無料でできます。早めに情報収集を始めて、ご自身の家庭に合った選択をしてください。
【免責事項】本記事に掲載しているガス料金・工事費用・節約額はあくまで参考目安であり、実際の金額を保証するものではありません。料金プランや補助金制度は変更される場合があります。具体的な内容は各ガス会社・工事業者に直接ご確認ください。本記事の情報は2026年4月時点のものをもとに作成していますが、最新情報については各公式サイト等でご確認ください。


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